ナショナルデパート秀島です。

前回は今回のブーストプロジェクトのプロダクトのテーマである「潤味」と「乾味」について少し触れましたが、リリースとの兼ね合いもあるので今回はちょっといろいろすっ飛ばしてパッケージデザインについて。

冒頭の画像は8月にリリースしたスイーツふりかけ&珍味の新ブランド「ふりちん」の代表的な3商品のパッケージです。

モノクロ1色プリント、はがきサイズ（A6）の仕上がりで、グラフィックの配置もある程度パターン化されています。

この商品は○○に振りかけるふりかけ、という感じで展開していて、右上には昔の商家の軒先に吊るされているような看板（当時は「標」と呼ばれていた）の形状を模した枠の中に、ふりかけをふりかける食べ物の名前をハメて、中央には食べ物をイメージした簡単な線描きのイラスト、イラストの中に「ふりかけ」の文字を大きく配置しています。

左下にはふりかけの味、使用素材、イメージなどを2行で短く書き、右下にはふりちんブランドのロゴを配置。

このデザインは数か月前から頭に浮かんでいたもので、中央に太い線のイラストと「ふりかけ」の文字さえあれば、フレーバーの種類が増えてもそんなに悩まずにブランドのイメージを維持できるし、新商品発売のスピードも加速できるという利点があります。

非常に単純なのですが、モノクロで太い線で描かれていて視認性もよく、量販店や高級食料品店などへの卸販売を見据えたパッケージデザインです。

ありがたいことに現在までに卸売りの引き合いもたくさん頂いているのですが、パッケージをもう少しアップデートしないといけないので、お時間をいただいています。小売店様、お話お待ちしております。

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カノーブルのパッケージは大失敗だった

「ふりちん」のパッケージデザインはパーツの共有やレイアウトの共通化で、めちゃくちゃハイペースな僕の新商品発売にも負担にならず、現状ではかなり機能していて満足なのに対して、カノーブルはパッケージデザインの大失敗作なんですよね。

というのも、バター専門ブランドとしてリスタートした当初のカノーブルの商品はフレーバーバターが主力だったので、新しいフレーバーを発売するたびにフレーバーをイメージしたグラフィックの包装紙を印刷すればそれでよかったのですが、その後、バターサンド、バターケーキが主力商品になり、最近ではキャロットケーキやカルパトカやベイクドバターケーキが主力になってくると、商品のイメージを表現したイラストなどを使うようになり、なんか、カノーブルって何屋だっけ？というブレがパッケージデザインにも現れてくるんですよね。

まあ、こんな感じになっちゃいました的な。もうメチャクチャですね。

ちょうど方向性に悩んでいた時期で、商品自体も計画性ゼロで作ってたので包装紙の印刷費用だけがかさんで本当に大変でした。

まあ、これは僕の実力不足なので仕方がないのですが、なんとなく商売替えするんだろうなあという予感がしているけど、次の商売が何になるのか全然想像もつかない状態では、なかなかパッケージの計画が立たないんです。

ウチのような商品サイクルも早ければ何年に一度か商売替えするような会社だと、パッケージデザインも自分でやるしかないというところもあります。

というわけで。

今回のブーストプロジェクトでは、10月24日からの都内百貨店でのポップアップ出店に際して、新しいプロジェクトや新商品を企画するっていう中で、パッケージデザインも刷新していこうと思います。

僕一人で商品の開発から製造、それに加えてパッケージデザインまで考えるので、全商品のパッケージをゼロから考えるというのは避けたいところなので、とりあえずシステム化することにしました。「ふりちん」で何となくつかめた考え方です。

ふりかけブランド「ふりちん」で始めたパッケージデザインのシステムを全商品に適用する場合、どういう感じにしたらいいか、とかいろいろ考えました。で、とりあえず決まったのがこのパターンです。

パッケージデザインのシステム化とはいえ、その前に商品構成自体をデザインしていく必要があります。そこで、まずは商品を数パターンに整理するところから手を付けました。

とっ散らかっていた商品ラインナップをほとんど入れ替えて大きく5つのパターンに絞り、複数詰め合わせが必要なものと、単品で成立するものを仕分けて、パッケージの組み合わせを当てはめながら商品のラインナップを決めました。

結果、商品を収める箱は全部で3種類に限定して、ベースとなるスイーツの包装紙はシンプルなストライプやドットにしました。文字や複雑なグラフィックが無くてもスタッフが一目瞭然で商品を認識できるようにしました。

じゃあ、商品ごとのフレーバーはどうやって表現するのかというと、前章で書いた「食のコスメティック」のパッケージで表現します。

「ふりちん」とおなじく、太い線のイラストでフレーバーやシーンが想像できるようにして、余白を多めにしてシンプルに見えるようにしました。これは量販店での販売を想定していないので、自宅に持ち帰って手に取った時に満足感が得られるよう美しさに配慮しました。

パッケージの余白の部分にはタイポグラフィーが配置されます。商品名やブランド名はリリース時に発表するので今は伏せてますが、シンプルで美しく仕上がっています。

こんな感じでパッケージのシステム化もメドが立ちました。

さて、次はブランド名や商品企画について書こうと思います。

ではまた。

（2024/9/30 秀島康右）